波動関数とその微分が連続であることの理由
量子力学の井戸型ポテンシャルなどの問題で、波動関数とその微分が連続であることは天下りに導入されることが多いです。
私はすごく悩みました。
しかし、それにはきちんと理由があります。
では、説明していきます。
仮定
波動関数φ(x)は有限の値を取ることを仮定。
どんな状況について考えるか
x=aにおいてV(x)が有限の跳びを持つ場合を考えます。
その様な例としては、たとえば、有限の井戸型ポテンシャルがあります。
V(x)に無限の跳びがある場合(例えば、無限の井戸型ポテンシャルや、デルタ関数型ポテンシャル)の波動関数の接続条件についてはまだ私はよくわからないので考えません。
V(x)に無限の跳びがある場合は、私が知る限りだと、波動関数は連続になり、微分は不連続になります。
証明
(1)はシュレディンガー方程式。
(2)はシュレディンガー方程式を変形したもの。
(3)はV(x)が不連続な点(x=a)のすぐ近くで(3)を積分したもの。
(4)は(3)の左辺。
(5)は(3)の右辺がV(x)が不連続な点付近での積分範囲を極限的に狭めていくと0に近づいていくという事を示す式。
(6)は(4)と(5)から波動関数の微分が連続であることを示す式。
(7)は(6)より、波動関数が連続であることを示す式。
上の数式群のような流れで、φ(x)が有限の値を取ることを仮定すると、V(x)が有限の跳びしか持たない場合、φ(x)とφ'(x)は連続になることが示されます。
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