物理人、世界を語る

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クライン・ゴルドン方程式の導出

今回は、クライン・ゴルドン方程式がどのように導かれるかということについて説明したいと思います。

 

クライン・ゴルドン方程式は、量子力学特殊相対性理論の概念を混ぜたときに出てくる式です。

 

自然単位系を用います

\begin{align*}
c=\hbar=1
\end{align*}

以降の議論では、光速と、ディラック定数を1とする、自然単位系を用いています。

 

シュレディンガー方程式の復習

数式群(A)

\begin{align}
 i \frac{\partial}{\partial t} \psi(x, t)&=H \psi(x, t) \quad(H=-\Delta /(2 m\rfloor)\\
 E&=p^{2} /[2 m]\\
 E \rightarrow i \partial / \partial t,& \quad p \rightarrow-i \nabla
\end{align}

 (1)はシュレディンガー方程式

 

(2)の式に、量子化の手続き(3)を施すことで、(1)の式を得ることが出来る。

 

シュレディンガー方程式の導出がヒントになる

シュレディンガー方程式の導出をヒントに、特殊相対性理論の要素をとりこんだ量子力学の式である、クライン・ゴルドン方程式を導くことを考えていこう。

クライン・ゴルドン方程式の導出

数式群(B)

\begin{align}
E&=\sqrt{p^{2}+m^{2}}\\
E^{2}&=p^{2}+m^{2}\\
\frac{\partial^{2}}{\partial t^{2}} \psi(x, t)&=\left(\Delta-m^{2}\right) \psi(x, t)\\
\square &\equiv \partial^{2} / \partial t^{2}-\Delta\\
\left(\square+m^{2}\right) \psi(\boldsymbol{x}, t)&=0
\end{align}

(1)は相対論的力学におけるエネルギー。

 

(1)を量子化して方程式を立てたいところだが、ルートが入っているので、このままじゃ上手く式をたてることができない。

そこで、(2)のように、(1)の式を二乗してみる。

 

そうして、(A-3)の量子化の手続きを施し、(2)の式を量子化すると、(3)の式を得ることが出来る。

 

また、(4)のように、ダランベール演算子(四角の記号)とよばれるものを定義すると、(3)の式は、

(5)のようにあらわされる。

 

 

(5)(=(3))が、クライン・ゴルドン方程式である。

 

 今回の記事はこれで終わりです。

 

 

 

 量子力学の過去記事。

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