物理人、世界を語る

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スピンが量子力学に出てくる理由

一般化された角運動量は、軌道角運動量と、スピンに分けられます。

一般化された角運動量演算子とは、

\begin{align*}
 \hat{J_x}\hat{J_y}-\hat{J_y}\hat{J_x}=i\hbar\hat{J_z}
\end{align*}

を満たすような演算子Jのことを言います。

この交換関係を満たすような演算子Jの特徴は、波動関数に対し回転変換を施すことが出来るというものです。

また、この交換関係を満たすような演算子Jに対しては、方位量子数とよばれるものが整数または半整数になります。

 

ここで、軌道角運動量とスピンを分類する特徴をあげると、

軌道角運動量に対する固有関数が1価性をもつ(空間座標一つにつき一つの値をもつ)のにたいし、スピンに対しては1価性をもつような固有関数をつくることが出来ないという点にあります。

 

そういう観点から、軌道角運動量とスピンを分類すると、軌道角運動量は方位量子数が整数になり、スピンは方位量子数が半整数になります。