12月19日(水)の積分(1)
今回の場合、yについて積分した後にxについて積分しているが、逆にxについて積分した後に、yについて積分しても同じ結果が得られる。
xの一変数の積分では、被積分関数の値とx軸との間の面積こそ(負の面積のようになることもあるが)が積分の値であった。
重積分は、今回の場合x,y軸に対して被積分関数の値がz軸だとすると、被積分関数の値とxy平面の間の体積(負の体積のようになることもあるが)こそが重積分の値になっている。つまり、体積という不変なものである以上、どっちの変数を先に計算しても、答えは一致するはずである。
じゃあ3,4,5•••ともっと多い変数の重積分は何を表すのか、という疑問を持つであろう。実は、多次元の体積の場合はこの重積分で逆に体積が定義されるのである。(n次元球の体積)などと調べるとすぐにでてくるであろう。
重積分を計算する際には、変数の範囲に気をつけるべきである。xによってyの範囲に制限がかけられたり、yによってxの範囲に制限がかけられるような範囲について重積分する際は、積分範囲に積分する変数と別の変数が絡むからである。(そういう場合がほとんど)
今回の問題では、最初のyの積分が0からxまで、というように,積分範囲にxが絡んでいる。このように積分範囲には気をつけて計算しなければならない。
また、重要な重積分の性質として、積分する順番を変えることで積分を解く難しさが変わることがある、というものがある。今回の問題の場合でも、写真のように計算しないと積分がややこしくなる(自分で考えてみよう)。普段からどちらの変数から積分した方が簡単になるか、という事を気をつけて計算すべきである。
最後にいっておくと、極端な場合、一方の順序では積分が計算できても、もう一方の順序では計算できないことさえもある。
重積分は、気をつけて計算すれば一変数の積分を繰り返すだけである。きちんと習得しておこう。