ma=Fの観点から見る長距離走の走り方。
ニュートンの運動方程式とは?
それは、
このような式です。
mは質量、aは加速度、Fは力を表します。
この式は、
物体を加速させるのには力が必要で、重いものほど加速させるのに大きな力が必要
ということを表しています。
また、この式は、
加速させるのに力は必要だけど、同じ速さを保つのに力は必要ない
と捉えることも出来ます。
スケートリンクで滑るところを想像してもらうと分かりやすいです。
一度滑り出したら、何の力を加えずとも前に進み続けることが出来ますよね。
動き出すとき、または滑るスピードを上げるとき、または止まろうとする時しか力は必要にならないはずです。
長距離走について考えてみよう
先ほどスケートリンクでは一度滑り出したら力を加えずとも前に進み続けることが出来るという話をしました。
このことを応用して、長距離走の走り方について考えてみましょう。
陸上走る時には、摩擦力や空気抵抗を受けますが、本質的には、スケートリンクと同じように考えて大丈夫です。
つまり、
同じスピードで走るのが一番楽
ということです。
さらに、言えることは、
一度加速すれば、そのあとはあまり力が必要ない
ということです。
ニュートンの運動方程式の肝は、加速させるのに力が必要であるのであって、同じ速度を保つのに力は必要ないということです。
もし、地面からの摩擦や空気抵抗を完全に無視するのであれば、
時速50キロで走り続けるのも、時速5キロで走り続けるのも、全く同じように力が必要ない
ということになります。(もちろん走るという動作をするためには地面に摩擦がないといけませんが(笑)。例えばの話です。)
まあ、走るスピードが速いほど空気抵抗を強く受けるので、現実には、速いスピードで走り続けるほうがゆっくりしたスピードで走り続けることよりも走るのに大きな力が必要です。
しかし、
一度加速してしまえば、同じスピードで走り続けることに力があまり必要ない
って相当効率いいと思いませんか?
長々と書きましたが、結局言いたいのはこのことです。
結論は、
長距離走で速いスピードで走る事にビビる必要はない!むしろビビるべきなのは加速したり減速したりすることだ!
です。力は同じスピードで走るのには大して必要になりません。加速したり減速したりするときに力が必要になるのです。これはよく言われることかもしれませんが、物理法則の観点からみてもそうなるのです。
まとめ
長距離走では、同じスピードで速く走り続けるのに力はあまり必要なく、加速したり減速したりするときに力が必要になる。
だから、速いスピードで走るから疲れるとかは考えすぎない方がよい。それよりも加速したり減速したりするときに疲れると考えたほうがよい。
後、スポーツで緊張しないようにするコツは、目の前の物理現象に目を向けることです。先ほど言ったように、結局、スポーツでも、力を加えた分だけ物体は加速するし、力を加えなかったら空気抵抗に従って減速するだけです。
いくら緊張したところでボールに力を加えなければボールを投げたり打ったりすることは出来ません。テニスだったらいくら気合入れてもボールがラケットのスイートスポットに当たらなければうまくボールを飛ばすことは出来ません。
結構、ma=Fを覚えていればスポーツに対する考え方にいかされることは多いと思います。「加速させるのに力が必要で、重いものほど加速させるのに力が必要」という物理法則がしっかりあるということ、覚えてもらえると嬉しいです。
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