量子力学 演算子の行列表示(2)
演算子の行列表示に関する解説の続きをします。(自分の勉強のため、また、数式部分に日本語が使えないことにより、数式のところの説明には英語を使っています)
前回の記事。
あまり工夫しすぎず、淡々と説明して情報量を増やすことを心がけています。
数式群(A)の(3)を指すときは(A-3)と書いています。(具体例)
前回の記事はこちら。
復習
前回の記事では、下の(3)が演算子に対応する行列の成分を表す定義である、と言った。
数式群(A)
今回説明したいこと
最初に演算子B(ハット)の固有値と固有状態を求める問題を、行列の問題に帰着することが出来る。
また、これは次の記事で書く予定だが、演算子A(ハット)の固有値と固有状態を求めることが出来れば、行列の固有値問題を解くことで演算子B(ハット)の固有値と固有状態を芋づる式に求めることが出来る。
固有値と固有状態を求める問題を行列の固有値問題に帰着出来る!
数式群(B)
ここで、縮退も含めて固有状態を正規直交系にとっておく(2)。こうすることで固有値方程式を行列に関する問題に直しやすくなる。
(3)は演算子A(ハット)の固有状態の完全性条件を間に挿入している。(基本的に物理量に関する固有状態は完全性条件を満たすと仮定する)
(4)は定義。
(5)は(4)を(3)に代入し、演算子Bに対応する行列の成分の定義を用いた。
(6)は(4)の両辺にAの固有状態をかけて、和を取り、Aの固有状態の完全性条件を用いた。
(7)は(6)をきれいにもう一度書き直した。
数式群(C)
(1)は定義。
(2)は演算子B(ハット)の固有状態の正規直交条件と演算子A(ハット)の固有状態の完全性条件を用いた。
(3)は(B-5)を行列成分の定義を使って行列形式に書き換えたもの。
(3)のように、演算子B(ハット)の固有値と固有状態を求める問題を行列の固有値問題に帰着することが出来る。
今回の話はこれで終わりたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
(C-3)の固有値問題を解いて演算子B(ハット)の固有値と固有状態を求める方法は、また今度説明していきたいと思います。(まだ書いていません)
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